Anatolian Old Kilim K20109

２枚接ぎのオールドキリムの片面です。
一見してもとのキリムのすばらしさがうかがわれます。
細い糸で目の詰まった緻密な織りの模様は、明確でしっかりとしています。
それに色合いの美しいこと！何系の色とは限定できない、明るいマルチカラーはこの織物を夢のようなキリムにしています。
日本風に表現すると、龍宮城のようなイメージでしょうか。
どの染めの色も美しく、見事に鮮やかさを保っています。

片面になることによって、本来の中心から、キリムの中心は変わってきます。
おそらく元のキリムは、左右に一列ずつ、柄のメインとなる大きな六角のメダリオンが連なっています。
それが、片面ではそのメダリオンが中央になります。これにより、このキリムには元のキリムにはない新しい表情を持つことになります。
アシンメトリーなデザインが個性的に、サイズもランナーのように細長くなることで、用途も変わってきます。
上質なキリムは長く生き続け、オールドになる間に片面になり、それによってまた新たに生まれ変わります。