Special Heibe K20119

コレクションとしても大変価値の高い、すばらしいへイベです。
へイベと呼ばれるキリムは、ラクダやロバなどの背にかけた袋だったものです。
動物の背で使用されたときは、両側が収納袋になって振り分けられる形になっていました。
その袋を開いて一枚の織物に戻しています。
へイベや、もうひとつの袋ものであるチュワルは、外を見せて移動することも多いものであったため、
このようにくっきりとした色や柄、目につく装飾が多くみられます。
また、織りの技法も通常の平織ではなく、ジジムが施されたり、スーマック織りで作られていて、
より丈夫に作られていますので、織り地に厚みもあります。

長い時を経て、こ馴れた感じの織り地はアンティークならではで、なんともスモーキーな肌触りに育っています。
にもかかわらず時間の経過や古さを感じさせない鮮やかな赤と紺の縞が目を引きます。
そのはっきりとした縞を、ぐっと落ち着かせているのが、織り込まれた模様の部分です。
この模様の織りがすばらしく、細かい製図とデザイン。そして細やかに使い分けられた色のひとつひとつが非常に美しいです。
特に青のバリエーションと発色が、ターコイズであったり、紺であったり、深みのあるスカイブルーであったりと、このへイベに
高貴な印象をプラスしています。
黄色やオレンジ、ベージュ、茶なども手間を惜しまず、小さい部分にも細やかに織り込まれており、
おかげでマルチカラーの美しさもプラスされています。
それらの色をひきたてる白の効かせ方も素晴らしい、本当にスペシャルなへイベです。