Anatolian Kilim K20095

美しい大判の、オールドアナトリアキリムです。
４メートルに及ぶ長さの２枚接ぎでありながら、左右の幅はどちらも一定で、柄のつなぎ合わせもきれいに合っており
素晴らしい織り手によって最初から最後まで、飽くことなく、心をこめておられたのがうかがえます。

このキリムの魅力はなんといってもこの美しい赤色。
赤い染色のなんともいえない美しさが、白に引き立てられていて、そのコントラストは見事です。
うねる波のように繰り返される模様には青味がかったグレー、黄色、ブラウンなどの色が巧みに織り込まれていて、
互いに引き立てあいながら、全体は見事に調和しています。
長い月日をかけて織られる間に染められた糸は、天候その他で同じ色でもそれぞれに味わいがあり、
左右の色に明るさの違いがありますが、キリムではこれこそが天然の草木染めの証として、評価されるポイントでもあります。

きれいに並んだ模様ですが、定規で製図したような正確さとは違い、人の手でフリーハンドで描いたような
角の取れたやわらかさが、長い年月を生きて慣れた織り地の柔らかさと合わさって、有機的な美しさです。
全体を眺めると、自由な感じに見える柄が調和してまとまっています。
竜の背中のように、生命のうねりと生きた温かさを感じられるキリムです。