セミオールドキリム Mut K23160

30~50年前に織られたこのセミオールドキリムは、中央アナトリアの南に位置するタウロス山脈の麓、ムット（ムーツ・ムッツ）の遊牧民たちによる最後の頃のキリムです。
大胆ですっきりとしたシンプルなデザインがこの世代のムットの特徴ですが、こちらもそんなムットらしい一枚です。
上下と左右のボーダーの濃い茶色、フィールドのホワイトベージュ、上下の二つのメダリオンのツイードのような茶色は、未染の羊毛の色をそのまま生かした色です。
ぶどうやベリーのような果実味のある紫と赤が、乾いたアースカラーの多いムットのキリムの中では非常にジューシーに感じられます。
わずかな色の染め糸を上手に使い、カジュアルながら深みのあるキリムです。それでいて白の割合が多く、すっきりナチュラルなタイプでもあります。
アメリカのネイティブインディアンの織物と非常に似ているといわれるムットのキリムですが、確かにそんな印象を受けるデザインや色使いです。
オールドの風合いも持ちつつ、なぜか現代的なインテリアにもマッチする感覚もそなえたムットのセミオールドは、今とても人気があります。
初めて自分でキリムを育ててゆくには最適な価格帯であるにもかかわらず、伝統的な草木染めと手紡ぎのピュアウールも楽しんでいただけるものです。