Malatya Cuval マラトヤ チュワル K23118

質、量、ともにトルコで一、二を争うキリムの産地で、アナトリア南東部に位置するマラティア（マラトヤ）のオールドのチュワルです。
チュワルとは、穀物の貯蔵や衣類などの収納のための袋であったものです。もとはクッションのように袋状にして使われていました。
しっかりと丈夫に織られているものが多く、また、ジジム織りで織られた模様が上下対称に入っているものがよく見られます。代々、遊牧民の生活に欠かせない生活の道具であるとともに、テント内の生活を彩るインテリアでもありました。実用的な力強さが、織りや色合いにもよく表れています。
男性的な印象のチュワルがよく見られる中、こちらは女性らしい色使いや織りのめずらしい一枚です。落ち着いた、染め重ねたピンクがやわらかで、織り地もそれほどかたくありませんが、織り目がしっかりと詰まっていて、しなやかで丈夫そうです。シンプルな横縞模様にも、装飾がほどこされ、小さなひと手間、ひと工夫があります。そんなところも女性的なチュワルです。
ジジムの、オレンジに近い、ミカン色のような黄色も豊かな印象。グリーンは、穏やかで品のある淡さに落ち着いています。