オールドキリム 大

とても民族風な趣にあふれるアナトリアのオールドキリムです。 しっかりと横糸の詰まった織目がつくる織り地の表面が非常に美しく、なめらかです。 幾何学の模様は、比較的シンプルで素朴な印象。このキリムの大地を思わせる色使いとよく合っています。 大自然からそのまま持ってきたような力強く、深い温かみのある色あいは、このキリムのデザインと出会って相乗的にその趣や雰囲気を作っています。 とくに全体の地織りの赤色は、土の色のような、夕焼けの色のような、人の命の色のような有機的な美しい染め色です。その染めむらが作る織り地のグラデーションがとてもよい風合いです。 一見落ち着いた色彩ですが..

グレーを中心とした色調のマルチカラーが個性的なアナトリアのオールドキリムです。 たっぷりと長めのサイズを活かして描かれた模様はとてもユニークです。フィールドに描かれた模様はとても自由で、ある意味とても芸術的。 アートな雰囲気も漂う、宇宙的なイラストのようなデザインと色使いは今見ても斬新です。織られた当時は一体どのように見られていたのでしょうか。 岡本太郎やピカソの作品のような、独自性あふれるキリム。このキリムを置く面白さ、使いこなす面白さ、眺めて暮らす面白さを、ぜひ堪能していただきたい、貴重な一枚。 一緒に暮らすことで、不思議とインスピレーションと、自由でよいというおおらかな赦..

とても個性的で美しいデザインの、アナトリアのオールドキリムです。 大まかな構図は、絨毯に近い印象を受けますがキリムにもよく見られるデザインです。ですが、色使いの美しさと模様の個性が独特な、特別な一枚です。 特にフィールドの模様と、そのすぐ外側、一番内側の濃茶の織り地のボーダーの模様は、非常に創造的なデザイン。メダリオンのほか、さまざまなモチーフを組み合わせたりアレンジしたものは他でも見られますが、その模様には独特の曲線が使われ、意志を持った動きが感じられます。 このキリム全体の模様自体、大変美しく、芸術性の高いものです。躍動しながらも、とても整然としていて、幾何学的なグラフィックの..

重厚感のある色使い、一見ヘビーな印象ながら、どうしても生き生きとした躍動感や、こぼれるような明るさが隠しきれないのが アンタルヤのキリムです。 アンタルヤは地中海に面した、気候に恵まれた非常に豊かな美しい土地。海と太陽の輝く明るい土地柄が、そこに住む人、 すなわちキリムの織り手を通して、キリムにもこのような元気な印象や力強さをもたらすのでしょう。 力強い赤やオレンジ、黄色は太陽の色そのものです。大きめでシンプルな柄は潔く、おおらかな印象。 濃紺と白を用いたくっきりとした大胆なコントラストは、アンタルヤの強い日差しが見せてくれるのでしょう。 このメリハリのある美しいキリム..

アナトリアのアンテプ（ガジアンテプ）のジジムです。アンテプという地名は、今は使われておらず、現在のガジアンテプの古い呼び名です。 えんじの平織り地のほぼ全面に、びっしりと美しい見事なジジムがほどこされています。このように全面にほどこされたジジムは大変手の込んだもので、大変めずらしく、貴重な品です。しかもこの織りの美しさ。緻密で精巧で、上手な織り手によるものだったと思われます。 数多くの色や、強い発色の色が使われていますが、とても繊細な、レースや網の目ような模様のジジムであること、白がかなりのボリュームで効果的に使われていることで、ほどよい美しさ、鮮やかさに押さえられています。 フリ..

コーラルやピンクの貴重な染め色の美しさが魅力的な、アイドゥンのオールドキリムです。 細く撚った糸で織られた細やかな織り地。模様がぎゅっと詰まった繊細で緻密な織りです。 全面を埋めつくすように織り込まれた模様は、アイドゥンのキリムの特徴でもあり、たくさんの模様にカラフルな色が加わって、 竜宮城をイメージさせるような、錦のような、本当に見事な風情です。 明るく豊かな色使いは、エーゲ海に面したこの土地の豊かさや明るさとも似ています。 細かく美しい手仕事の一枚。色合いの美しさにオールドゆえの柔らかさが加わって、シックなお部屋にも見事になじみます。 ..

コーカサス地方で織られた、ウールのスーマックです。 スーマック織りは、平織り地に新たな横糸を加え、縦糸１～２本を取って表から裏へと巻きとってゆく技法。より密でしっかりとしたキリムに仕上がり、独特の感触と見た目が生まれます。 コーカサス地方を中心に多くみられる技法です。 美しい赤、青、緑のコントラストがとても美しいスーマックです。オリエンタルな雰囲気の漂う、魔法の絨毯のようなこのスーマックにも、やはり染めむらのアブラッシュを見ることができます。 独特のニット模様のような図案や、幾何学の花文様など、コーカサス地方のキリムの特徴をこのスーマックでも楽しめます。 特に織り地がしっか..

中央アナトリアのレイハンリ（レイハンル）で織られたアンティークキリムです。 レイハンリの古いキリムは、世界的に高い評価を受けています。 中央から二枚接ぎになっていて、継ぎ目はきれいに合わさっています。非常に細かく、緻密な織りが特徴です。 同量程度の赤と青、白のコントラストがあざやかですが、アンティークらしくシックに落ち着いています。白の割合が比較的多くさわやかなのも印象的です。 両サイドの外ボーダーは、葉とぶどうの木のモチーフで、レイハンリの古いキリムの象徴的な特徴です。 こちらのキリムがそうかどうかはわかりませんが、レイハンリのキリムが高く評価されるようになった..

アナトリア南西部、エーゲ海地方のやや内陸よりの、ダズキリのオールドキリムです。 たくさんの櫛（指）模様の入った帯を連ねた個性的な柄と、赤を中心としたこのような色使いは、 アフィヨンを中心とするこの地方によく見られる、特徴的なデザイン。 現在では同じ県内にあるアフィヨンと、ここダズキリもよく似た特徴を持っています。 ひとつひとつの文様は揃っているようで不揃い。その一個一個にそれぞれ個性があり、生きているような愛嬌と面白さがあります。 それでいて全体の調和と、帯を連ねたような美しさ。細やかにしっかりと撚られた糸で織られ、しなやかなさも。 赤色の濃淡と細い線が作る世界は、女性..

西部アナトリア、エシュメのオールドキリムです。 現在エシュメは近隣のデニズリ、ウシャクとともに新しいキリムの重要な産地です。エシュメの古いキリムはこれらの中ではデザインが複雑で織りの質も良いとされています。 デザインはエシュメでよく見られるものですが、白を多く使った色合いが個性的です。 細い糸で細かく丁寧な織り目です。コンパクトな、明るめのピンクがかった赤の模様が、分量の多い白のフィールドの中にあることですっきりとさわやかな印象を受けます。 しかし、周りに締まる色が配されているので、ぼやけた感じや物足りない感じはなく、適度な重みが加わっています。 かわいらしさもあり、さっぱ..

エシュメ(エシメ)のオールドキリムです。 赤を基調として、黒や白とのメリハリのある、くっきりとしたコントラストは目を引きます。 細かな模様も使って、キリム全体にすみずみまで模様が織り込まれたデザイン、その中模様のひとつの六角形のメダリオンなどは、エシュメのオールドキリムに見られる伝統的な織りの傾向です。 その伝統的な傾向を踏まえながらも、キリムが自ら私たちの心に飛び込んでくるような力のある一枚。 無難な色調に納まらないのは、中心となる赤から、まとまってゆく色同士だけではなく、多方向に向かう色が、巧みに組み合わされているからです。例えば、赤をマイルドにまとめてゆくオレンジやベージ..

  品番　：K26083 サイズ：170cm x 275cm 産　地：トルコ 年　代：オールドキリム 素　材：ウール x コットン..

東部アナトリアの、コーカサス地方との国境に近い町、カースのオールドキリムです。 見るからに細やかでしっとりとした、美しい織り地です。しっかりと撚られた、均一な細い糸で緻密に織られたキリムならではの、表面がなめらかでドレープ性のある織り地です。 重厚感のある暗めの色使いで、複数の礼拝用ミフラーブ模様が織り込まれています。近隣のカギズマン（カウズマン）や、同じ東部地域のエルズルムに多くみられる模様です。 また、デザインの中にはコーカサス地方の影響もどことなく感じられます。国境に近いカースは歴史的にさまざまな勢力の支配を受けてきた地域で、隣接する地域の影響を多く受けています。 落ち着..

これだけのサイズにも関わらず、細い糸で緻密に織られた、非常に繊細な美しさをもつアンティークキリムです。 茜色のような魅力的なオレンジがとてもいい色です。全体の印象を左右しているこの色が効果的に配置され、その場所ごとに染めむらのグラデーションが楽しめます。また、紺色とグリーンがかったベージュとの組み合わせがとても素晴しく、さわやかな品のある配色です。 四角い枠の中にさまざまな模様が織りなされています。モザイク模様のように細かな模様は、そのモチーフの中の細かな部分もそれぞれに色を変えられています。とても手間のかかったキリムです。 そしてこんなに大きな作品の、ところどころに小さく、織り手..

カイセリのオールドキリムです。 びっしりと模様で埋めつくされた美しい一枚。 オレンジやカーキといった色の世界と、ピンクにベージュ、ブラウンの色の世界と、二つを重ね合わせてできたような 色彩が印象的です。 二枚接ぎで織られたものですが、中央からのバランスは見事によく合っており、左右の細かいところの模様も、大差がなくきれいです。 対になっている上下のデザインも、バランスよく織られています。 何より細かくびっしりと織り込まれたこの模様を、飽きもせず最後まで丁寧に織り上げた織り手の思いや気概が感じられます。 やさしいシックな色使いは、白っぽい織り地やベージュのおかげでほのか..

コーカサス地方のアゼルバイジャンにある都市、クバのオールドキリムです。 ジグザグ模様を重ねた、大きな連続するメダリオンはインパクトがあります。左右のボーダーにも、内ボーダーのなにか植物のモチーフと思われる文様にも、ジグザグ模様。 色は濃い、深めの色が中心で、シックないいオールド感が出ています。全体にセピア色をかけたようなコクがあり、フィールドの夕焼けのような赤みを帯びた茶色と、その染めむらが美しく出ています。 鉱物のような鈍みのある灰色がかった青も、とても味のある色合いです。 細やかな目の織りが時間とともにつややかな表面となっていて、肌触りもよさそうな風合いに育っています。 ..

インディゴの美しさがひときわ素晴らしいオールドキリムは、コーカサス地方、アゼルバイジャンのカスピ海に近い都市、クバのものです。 ざっくりとした織りがこなれてさらにしなやかな質感に育ち、風合いがなんともいえないよい具合です。 比較的大胆ですっきりとシンプルなデザインが、このキリムの最大の魅力である色彩と本当によく合っています。 色合いの美しさを最大限に引き出すデザイン、そのデザインが美しくなる色彩、織り手のセンスと技術、想像力に創造力の高さがうかがわれます。 織りも非常に素晴らしく、上下、左右の模様は対称に配置されています。正確な、バランスのとれた技術の高い織りです。 そして..

コーカサス地方にある、クバのオールドキリムです。クバは現在はアゼルバイジャンの町。 黒い囲み（縁取り）のくっきりとしたデザイン。色使い。模様のあちこちに用いられたジグザグの幾何学模様など、 コーカサスのキリムらしい特徴を持ちながら、縞模様にアレンジされています。 ジジムなどに見られる縞模様とは、また異なる風情を持っています。 野性的な雰囲気というより、山岳的な民芸調。チロリアンテープのデザインなども思い起こされるデザインで、 やはりロシア・ヨーロッパ風の影響を感じます。 にぎやかなマルチカラーに加え、ところどころに黒い縁取りが入り、くっきりはっきりした印象。..

ムットのアンティークキリムです。 ムットのキリムは、古いものほどこのように色が多彩で、デザインも凝ったものが多く見受けられるように思われます。 こちらは糸の撚りもよりしっかりとしていて、織りも比較的細やかそうです。 昔の方が、キリムに求める娯楽性のようなもの、財産性のようなもの、が高かったのかもしれません。 比較的環境の厳しい地域であるムット。唯一の癒しや楽しみはキリムの中の美しい世界だったのかも。 色鮮やかで明るいキリム。しっかりとした大胆な印象のデザイン、おおらかであまり細かいことはとらわれないような 雰囲気は、もちろん織り手の個人差もありますが、ムットらしいところ..

ムットのアンティークキリムです。 アンティークとは100年を超えるものですが、そうとは思えないみずみずしさをもつキリムです。 その決め手はこの色合いでしょう。シックで落ち着いたこなれ感とともに、フレッシュさもあるイエロー系、ブルー系、赤系。 三原色のバランスよい配色がとても魅力的。 大胆な柄の配置と、反対に細部の細やかな模様が生き生きとし、対称性と比対称性、緻密さとおおらかさの入り交じった、 本当に躍動感のあるアンティークです。 淡さのある美しい色はどこかモスクや宮殿を連想させるような色合いで、産地であるムットが、染料の原料にも乏しい 山岳地帯であることを忘れさせて..

北トルコ　黒海　オールドキリム ..