調度品として使われたキリムには、本来の用途によってそれぞれに呼び名がありました。
ーソフレ
食卓用のキリム。
細長いものはダイニングソフレで、このキリムの周りを囲んで食事をしました。
正方形のものはフラワーソフレで、この上に木の盆を置き、小麦粉を練ってパンを成形したり、
出来上がったパンを包んで保存したりしました。
ーマフラッシュ
箱形に仕立てられた、衣類や食器などを収納するケース。
赤ちゃんのゆりかごにも使われ、たたむと小さくなります。
ーチュワール(チュワル)
クッションのような形の袋状になったキリム。
穀物などを貯蔵するのに使われました。
ーヘイベ
ラクダやロバの背にかける袋。
背にかけたとき、両側が収納袋になっていて、荷物を振り分けて背負えるようになっています。
ーヤストック
細長い背もたれ用のクッション。
テントでくつろぐときや横になるときなどに使われました。
また、現在ではジジム、スマックなど、織りの技法で呼び分けられたり、織られた地域や民族名で、
カイセリ、コンヤ、オブリュク、シャルキョイ、ヘルキなどと呼び分けたりもしています。