Ala Cuval アラオールドチュワル K23120

こちらのオールドキリムはチュワルといって、穀物の貯蔵や衣類などの収納のための袋であったものです。もとはクッションのように袋状にして使われていました。また遊牧の移動の際にはチュワルに家財や食糧などを詰めて、ラクダやロバの背にのせて運びました。
しっかりと丈夫に織られているものが多く、また、ジジム織りで織られた模様が上下対称に入っているものがよく見られます。代々、遊牧民の生活に欠かせない生活の道具であるとともに、テント内の生活を彩るインテリアでもありました。実用的な力強さが、織りや色合いにもよく表れています。
こちらのチュワルも全体にジジム織りの美しい装飾がほどこされています。
全体にこなれ、程よい褪せ感も出て、落ち着いていますが、もともとの濃茶の地織りに、深いワイン色のような赤とインディゴ、そして強い山吹色が金色に浮き立つようなジジム織りが、個性を放つ、少し贅沢な美しいチュワルだったことでしょう。いまでもその鮮やかさの名残をとどめ、さらに年月を経た良さまでもが加わっています。
ほかにも近寄ってみると細かなところに淡いベージュやパープルが使われていて、非常にカラフルです。中央のターコイズ色のビーズのついたフリンジの装飾が、幸運を呼びそうなチュワルです。