オールドキリム

西部アナトリア、アフィヨンのオールドキリムです。
赤色を中心に、若草色、うす紫色、こげ茶色とのコンビネーションです。
同じ部分で突然色が合わっていたりと、わりと自由な配色です。でもこのコンビネーションの中の色なので、全体としてみたときには、とてもバランスが取れています。
手染め、手作りのキリムの不思議、そして魅力です。
上下から半分ずつメダリオンが配されていて、中央に大きなメダリオンがあるというデザインですが、色があえてきっちりと決まっていないこと、上下のメダリオンに多少大きさの違いがあることなどから、どちらかというと、連続したメダリオンが連なる長ーい生地の途中を切り出してきたようにも見ることができ、見えない先の連続性の動きや奥行きが感じられます。
キリムの魅力は、今ここに見えている部分ではなく、こめられた織り手の思いや、こうした見えない空間、時間、エネルギーなどでもあります。見える部分に表現されているのは、もしかしたら氷山のほんの一角かもしれません。
メダリオンの上下の突起の下に細く突き出た横棒は、おそらく指文様の装飾で、アフィヨン地域のキリムの特徴です。