オールドキリム

中央アナトリア、オブリュクのオールドキリムです。
かつてはアジアとヨーロッパを結ぶ交易ルートとして栄えた都市のひとつです。
そんなオブリュク特有の、礼拝用のミフラーブの両肩に生命の木を描いたパターンのキリム。
非常に細くて撚りの強い糸が使われているのが見てわかりますが、これもオブリュクの特徴です。キリムの左右の織り端の線を拡大してみると、そのことがわかります。
豊富な色使いもオブリュクらしさです。トーンは落ち着いていますが、細かいところに多くの色が使われています。
赤からオレンジの染め糸の濃淡が、上手にミフラーブ文様のグラデーションに配されていて、きれいです。
ウールの質感を生かしたベージュやグレーとの相性もとてもよく、いろいろな意味で高度なセンスと技術が集約された美しいキリムです。