Malatya Cuval マラトヤ チュワル

質、量、ともにトルコで一、二を争うキリムの産地であるマラティアのものです。
チュワルは遊牧民が穀物や家財などを入れて移動するための袋だったもの。ラクダやロバの背に乗せて、人の目に触れたことから「見せる」ことを意識して織られたのが感じられるデザインで、わりと遠くから識別しやすい染色と、平織り文様だけでなく、ジジム織りやズイリ織りなどで装飾がほどこされているのが魅力です。
赤、青、黄色、濃い紫、上下のボーダーの染め色がどれもとても美しく、遠くからもよく映えたことでしょう。
また、中央の文様部分はジジム織りがほどこされていて、その織りはとても精緻で、美しいものです。まるで日本の着物の帯の文様のようです。
ジジムの色には平織の横縞と同じ糸も使われていて、全体の色彩のバランスがとてもよいキリムです。
野性的でシンプルな横縞の平織と、精巧なジジムのコントラストが面白い、あざやかなチュワルです。