Sirvan Kilim K20097

シルヴァンキリムは、アゼルバイジャンの中央部にあるシルヴァン平野の農民たちによって織られたキリムです。
この地域はカスピ海と黒海に挟まれた山岳地帯で、コーカサス地方と呼ばれます。
孤立した山岳地帯で伝統が守られてきたこの地方は絨毯が多く、キリムの種類や数は非常に少ないのですが、
質の高さは世界でも高い評価を受けています。数が少ないので、非常に貴重なキリムです。
このように大判で、大胆な印象のものは、この地域のキリムの特徴です。

かつては産地ごとに模様で特定できたほど、特徴がはっきりとしているこの地方のキリム。
とくにシルヴァンのキリムには、このようにボーダーがなく、横縞に模様があるものが見られます。
なんといっても素晴らしいのは、深い色合いの美しさ、そしてそれらの色とコットンの白とのコントラストです。
紫にも、えんじやぶどう色、深い紫などのバリエーション、青にも紺、緑がかった青、紫がかった青、群青などの
バリエーションがあり、オレンジやピンク、茶、白とともに無数の組み合わせを作って配置されています。

精緻でしっかりとした織りからは高い技術もうかがわれます。じっくりと大切に守られ、織られてきたキリムなのでしょう。